C-135輸送機の改造バージョンは非常に多彩で、空中給油機KC-135以外に、EC-13、,RC-135、WC-135、OC-135等々米軍機マニアでも混乱するぐらい多種多様である。その中で特に変わり種の機種がNKC-135A/Bで米空軍が各種飛行試験に使ってデータを採取する為の機材らしい。私は嘉手納基地で1度撮った事があるぐらいで、滅多に遭えない航空機だった。嘉手納基地のR/W05に偶々降りてきたNKC-135A(55-3125)を撮影した時は尾翼にアンテナが付いた変わったEC-135だな位に思っていたが、嘉手納遠征を終え自宅に戻ってフィルム現像、焼き付け作業をして初めて「こりゃ、珍しい飛行機だな。」と気が付いた次第である。このNKC-135シリーズで行った試験項目は色々あるようだが、NKC-135A(55-3123)は高出力レーザーの空中試験、55-3129はウィングレッドのテスト。55-3123は、SLAR(Side-looking Airborne Rader/側方監視機上レーダー)のテスト。55-3132は、NKC-135B(63-8050)と共に”Big Crow"と呼ばれ、機上に”YAL-1”と名付けられた大型のレーザー光線の発射機を取り付け、標的の撃破試験に使われた。
 そしてこのページに掲載したNKC-135A/55-3125は、何を担当していたのだろう。まず尾翼に”ASD”と書かれているのは航空システム部門”Aeronautical Systems Division"の事だそうで、軍用機のシステム設計、開発などを手掛けていた組織である。NKC-135A/55-3125は、ASD部門でアビオニクスのテストに使われていたそうで、尾部の給油ブームの先にアンテナを付けているのも、装置に関連したもの。"ASD"は1992年に”ASC”に名称を変更(左のインシグニアがそれ)、2012年Air Force LCMCに統合合併されている。
Wings
NKC-135Aは、14機存在した。そのシリアルは、
55-3119 / 553120 / 55-3122 / 55-3123 / 55-3124 / 55-3125 / 55-3127/ 55-3129 / 55-3131 / 55-3132 / 55-3134 / 55-3135 / 56-3596
この他、B型が1機、E型が2機存在した。
NKC-135A(55-3125)は、1983年にEC-135Yに改造され、ロビンス空軍基地の19th ARWに配備されたとある。その後1986年にエンジンを換装した後、1997年マクディル空軍基地の6th ARWに配備され2001年に退役したそうだ。
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